IWC日記

時計好き管理人の日々を綴った日記です。

本屋大賞の受賞をきっかけに時代小説を読んでみる

 私は時代小説をあまり読まないのですが、数少ないこれまでに読んだ作品があります。それは、冲方丁さんの「天地明察」という作品です。読んだのはハードカバーの作品ではなく、上下巻に分かれた文庫です。



 どうしてこの作品を私が読もうと思ったのかというと、それはこの作品が2010年の本屋大賞に選ばれていたからです。いくら普段時代小説を読まない私でも、本屋大賞に選ばれた作品を食わず嫌いするわけにはいかないという気持ちになり、文庫で安くなったということもあって上下巻をまとめて購入しました。



 いざ読み始めてみると「やっぱり時代小説だなあ」と感じる部分と「現代小説みたいなおもしろさがあるなあ」と感じる部分がありました。時代小説だと感じる部分は、その小説の舞台になっている時代背景の描写です。

 



 主人公である渋川春海が活躍した江戸の時代のことが書かれていますので、それに対して時代を感じるのは仕方のないことです。むしろ、その時代背景の描写を楽しむべき作品だと思いました。



 ただ、そうかと思えば多少コメディチックなユーモラスさをまじえて書かれている恋愛表現の部分もあり、そこは何だかクスリと笑えるところもありました。



 物語全体のお話に注目すれば、現代ではあまりなじみのない暦作りがテーマになっています。この時代からすればそれが多方面に影響を与える大仕事ですので、その大事さが作品に良く表れていると思います。



 結果的には上下巻とも楽しく読めましたので、本屋大賞をきっかけにして読むことができて良かったです。